C言語をマスター！空白文字を理解し、10種類の使用例で学ぶ

はじめに

C言語は、プログラミング言語の中でも基礎となる言語であり、その構文や概念は後発の多くのプログラミング言語に影響を与えています。

本日はそのC言語の中で重要な役割を果たす「空白文字」の使い方を詳しく解説していきます。

初心者から中級者まで、各レベルの読者に対しても理解しやすい内容になっています。

●C言語とは

C言語は、1970年代にベル研究所で開発された汎用プログラミング言語です

OSの開発や組み込みシステムの制御など、システムに近い部分のプログラミングに利用されることが多いです。

また、その後のプログラミング言語設計に大きな影響を与え、その構文や思想が広く受け継がれています。

●空白文字の基本

C言語における「空白文字」とは、視覚的に何も表示されない文字のことを指します。

具体的には、スペース(‘ ‘)、タブ(‘\t’)、改行(‘\n’)などが含まれます。

これらは、プログラムのコードを整形したり、ユーザーへの出力を制御したりする際に利用されます。

●C言語における空白文字の使用方法

C言語で空白文字を扱う方法を見ていきましょう。

ここでは10種類のサンプルコードを通して、基本的な使い方から応用例までを学びます。

○サンプルコード1：空白文字の基本的な出力

このコードでは、printf関数を使って空白文字を出力するコードを紹介しています。

この例では、スペース、タブ、改行をそれぞれ出力しています。

#include <stdio.h>

int main() {
    printf("Hello, World!\n");
    printf("Hello,\tWorld!\n");
    printf("Hello, World!    \n");
    return 0;
}

このコードを実行すると、それぞれ「Hello, World!」と出力された後に、改行、タブ、スペースが出力されます。

○サンプルコード2：空白を使った整形

このコードでは、printf関数と空白文字を使って文字列の出力を整形する例を表しています。

この例では、数字のリストを整列させて出力しています。

#include <stdio.h>

int main() {
    for (int i = 1; i <= 10; i++) {
        printf("%2d %4d %6d\n", i, i*i, i*i*i);
    }
    return 0;
}

このコードを実行すると、1から10までの数、その二乗、三乗を整列させて出力します。

printf関数のフォーマット指定子である%2d, %4d, %6dの部分で、それぞれ2文字分、4文字分、6文字分の幅を確保して数字を出力しています。

○サンプルコード3：タブとスペースの違い

このコードでは、タブ(‘\t’)とスペース(‘ ‘)の違いを理解するためのコードを紹介しています。

この例では、タブとスペースを使って同じ内容を出力して比較しています。

#include <stdio.h>

int main() {
    printf("Hello,\tWorld!\n");
    printf("Hello,   World!\n");
    return 0;
}

このコードを実行すると、タブとスペースを使った行がそれぞれ出力されます。

しかし、タブの空白の長さは環境によって異なるため、結果は実行環境によります。

一般的には、タブは4または8スペースと等価とされます。

●空白文字の応用例

空白文字は単に見た目を整えるだけでなく、より高度な処理にも活用できます。

次のいくつかのサンプルコードは、空白文字の応用例を表します。

それぞれのコードについて詳しく見ていきましょう。

○サンプルコード4：空白を使ったソースコードの可読性向上

空白はコードを見やすくするために重要な役割を果たします。

適切に空白を用いることで、プログラムの可読性は大幅に向上します。

#include <stdio.h>

int main() {
    int a = 5;
    int b = 10;

    if (a < b) {
        printf("aはbより小さいです。\n");
    } else {
        printf("aはb以上です。\n");
    }

    return 0;
}

このコードでは、変数の定義や条件文の間に適切なスペースを挿入しています。

これにより、コードの構造がひと目でわかるようになります。

○サンプルコード5：空白を使った文字列の分割

C言語では、strtok関数を使って文字列を分割することができます。

空白文字を区切り文字として利用することで、文章を単語ごとに分割することが可能です。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str[] = "C言語を学ぼう";
    char *token = strtok(str, " ");

    while (token != NULL) {
        printf("%s\n", token);
        token = strtok(NULL, " ");
    }

    return 0;
}

このコードでは、”C言語を学ぼう”という文字列を空白で分割しています。

この結果、”C言語”と”学ぼう”の二つの文字列が得られます。

○サンプルコード6：入力バリデーションの空白チェック

ユーザーからの入力を受け付ける場合、入力が適切な形式であることを確認するためにバリデーションを行うことがよくあります。

例えば、名前を入力するフィールドでは、空白のみの入力を避けるためにチェックを行うことがあります。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char name[100];
    printf("名前を入力してください：");
    fgets(name, sizeof(name), stdin);

    for (int i = 0; i < strlen(name) - 1; i++) {
        if (name[i] != ' ') {
            printf("入力された名前は適切です。\n");
            return 0;
        }
    }

    printf("入力が空白のみです。適切な名前を入力してください。\n");

    return 0;
}

このコードでは、ユーザーが入力した名前が空白のみでないことをチェックしています。

もし空白のみの入力が行われた場合、それを指摘するメッセージが表示されます。

○サンプルコード7：ファイルの空白行の検出

このセクションでは、ファイル内の空白行を検出するプログラムを紹介します。

これは例えば、ソースコードのフォーマットを整えたり、不要な空白行を除去したりする際に役立ちます。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *fp;
    char str[256];
    int line_num = 0;
    int blank_line_num = 0;

    fp = fopen("sample.txt", "r");
    if (fp == NULL) {
        printf("ファイルが開けません。\n");
        return 0;
    }

    while (fgets(str, 256, fp) != NULL) {
        line_num++;
        if (str[0] == '\n') {
            blank_line_num++;
        }
    }

    printf("総行数：%d\n", line_num);
    printf("空白行数：%d\n", blank_line_num);

    fclose(fp);

    return 0;
}

このコードでは、ファイルを一行ずつ読み込んで処理を行っています。

fgets関数は、ファイルの終わりに達するまでNULLを返さず、各行を読み込みます。

その後、各行が空白行であるかどうかを判定しています。

空白行である場合、その行の最初の文字は改行文字(‘\n’)になります。

コードを実行すると、ファイルの総行数と空白行の数が表示されます。

これにより、ソースコード内の不要な空白行を特定したり、その数をカウントしたりすることができます。

○サンプルコード8：コード内の不要な空白の削除

このセクションでは、コード内の不要な空白を削除するプログラムを紹介します。

一見些細なように思える空白の扱いですが、プログラミングではこのような細部にまで注意を払うことが求められます。

特に、ソースコードの可読性を向上させるためには、行の終わりの不要な空白を削除することが一つの方法となります。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

void trim_end(char *str) {
    int len = strlen(str);
    while (len > 0 && str[len - 1] == ' ') {
        str[--len] = 0;
    }
}

int main() {
    char str[] = "Hello, World!   ";
    printf("'%s'\n", str);
    trim_end(str);
    printf("'%s'\n", str);
    return 0;
}

このコードでは、文字列の末尾にある空白を削除するための関数trim_endを定義しています。

この関数では、文字列の末尾からスペースでない文字が出てくるまで、文字列の末尾を削っています。

この関数を適用することで、不要な空白が削除された文字列を得ることができます。

コードを実行すると、削除前後の文字列が表示され、末尾の不要な空白が削除されていることが確認できます。

○サンプルコード9：テキストファイル内の空白のカウント

プログラミングにおいては、テキストファイルから特定の情報を抽出する必要があります。

空白文字のカウントはその一つで、テキストファイル内の空白文字（スペースやタブ）の数を数えることができます。

この機能は、特にプログラミング言語の学習やデータ分析において重要となります。

下記のサンプルコードは、テキストファイルから空白文字の数を数えるためのものです。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *file;
    char path[100];
    char ch;
    int spaceCount = 0;

    printf("ファイルパスを入力してください: ");
    scanf("%s", path);

    file = fopen(path, "r");

    if (file == NULL) {
        printf("ファイルを開けませんでした。\n");
        return 1;
    }

    while ((ch = fgetc(file)) != EOF) {
        if (ch == ' ' || ch == '\t' || ch == '\n') {
            spaceCount++;
        }
    }

    printf("ファイル内の空白文字数：%d\n", spaceCount);

    fclose(file);

    return 0;
}

このコードでは、まずユーザーからファイルパスを入力してもらいます。次にそのファイルを読み込み、一文字ずつチェックしていきます。

それぞれの文字が空白文字（スペース、タブ、改行）であれば、カウントを増やします。

最後に、カウントした空白文字の数を表示します。

このコードを実行すると、指定したファイル内の空白文字の数が出力されます。

もしファイルを開けない場合は、エラーメッセージが表示されます。

○サンプルコード10：HTMLのインデント調整

ウェブ開発においては、HTMLファイルの可読性を高めるために、適切なインデント（字下げ）が必要となります。

しかし、大規模なプロジェクトや、多くの開発者が関与する場合、インデントが一貫していない場合があります。

ここでは、C言語を使用してHTMLファイルのインデントを調整する方法を見ていきましょう。

下記のサンプルコードは、HTMLのインデントを自動で調整するものです。

#include <stdio.h>

int main() {
    FILE *file;
    char path[100];
    char ch;
    int indentLevel = 0;

    printf("HTMLファイルのパスを入力してください: ");
    scanf("%s", path);

    file = fopen(path, "r");

    if (file == NULL) {
        printf("ファイルを開けませんでした。\n");
        return 1;
    }

    while ((ch = fgetc(file)) != EOF) {
        if (ch == '<') {
            if (fgetc(file) == '/') {
                indentLevel--;
            } else {
                indentLevel++;
            }
            fseek(file, -1, SEEK_CUR);
        }

        if (ch == '\n') {
            for (int i = 0; i < indentLevel; i++) {
                printf("\t");
            }
        } else {
            printf("%c", ch);
        }
    }

    fclose(file);

    return 0;
}

このコードでは、まずユーザーからHTMLファイルのパスを入力してもらいます。

次にそのファイルを読み込み、一文字ずつチェックしていきます。

HTMLタグの開始と終了を検出して、インデントレベルを調整します。

そして、改行文字を検出すると、インデントレベルに応じてタブを出力します。

最後に、元の文字を出力します。

このコードを実行すると、指定したHTMLファイルがインデント調整された形で出力されます。

もしファイルを開けない場合は、エラーメッセージが表示されます。

●C言語の空白文字に関する注意点

C言語のプログラムを作成する際、一見しただけでは見逃してしまいそうな空白文字ですが、その取り扱いには注意が必要です。

その理由としては、一部の特殊な状況下で予想外の挙動を引き起こす可能性があるからです。

1つ目の注意点として、空白文字は見た目上は同じでも実際には異なることがあります。

例えば、半角スペースと全角スペース、改行コード(‘\n’)とキャリッジリターン(‘\r’)などです。

これらの違いはプログラムの動作に大きな影響を与えます。

2つ目の注意点は、文字列の先頭や末尾、あるいは連続する空白を適切に扱うことです。

特に文字列の分割や結合を行う際には、これらの空白の扱いが重要になります。

3つ目の注意点は、空白文字を意図しないところで使用しないようにすることです。

例えば、変数名や関数名に空白文字を含めることはできません。

また、無意識のうちに入力した空白がコードの理解を困難にしたり、エラーを引き起こすこともあります。

このような注意点を把握しておくことで、空白文字を効果的に使用し、プログラムの可読性や信頼性を高めることが可能になります。

●空白文字のカスタマイズ方法

C言語のプログラムを作成する際に、独自の空白文字の扱い方を定義することも可能です。

これは、関数を作成することで実現できます。

○サンプルコード11：空白文字のカスタマイズ

このサンプルコードでは、連続するスペースを1つのスペースにまとめる関数を作成します。

この関数は、入力された文字列内の連続するスペースを検出し、それらを1つのスペースに置き換えます。

#include <stdio.h>
#include <ctype.h>

void removeMultipleSpaces(char* str) {
    int i = 0, j = 0;
    while (str[i]) {
        if (!isspace(str[i]) || (i > 0 && !isspace(str[i - 1]))) {
            str[j++] = str[i];
        }
        i++;
    }
    str[j] = '\0';
}

int main() {
    char str[] = "C     言語      を    マスター    しましょう";
    removeMultipleSpaces(str);
    printf("%s\n", str);
    return 0;
}

このコードを実行すると、「C 言語 を マスター しましょう」という文字列内の連続するスペースが1つのスペースに置き換えられ、「C 言語 を マスター しましょう」と出力されます。

このように、C言語では関数を作成することで、独自の空白文字の扱い方を定義することが可能です。

プログラムによっては、このようなカスタマイズが有効に作用し、より効率的なコードを実現することができます。

まとめ

この記事では、C言語の空白文字について、その基本的な使い方から応用例、注意点、カスタマイズ方法まで詳しく解説しました。

空白文字は一見すると単純な要素に見えますが、実際にはコードの見易さや動作の安定性に大きく寄与する重要な要素です。

それぞれのサンプルコードを理解し、手を動かして実際に試すことで、C言語における空白文字の理解を深めることができるでしょう。

これからも、C言語をマスターするための学習を続けていきましょう。